筋トレ

【火花(完結編)】

→「拳闘編Part3」より続き「意外と体力ありますね。びっくりです。もっと早くギブアップすると思いました」初トレーニングの後、ジムのジャグジーに共に入りながらNが言った。1年間、真面目にトレーニングに励んだ事で、体力には我ながら自信があった。しか…

【火花(拳闘編Part3)】

→「拳闘編(Part2)」より続きネガティブな予想に反してNは比較的熱心にコーチしてくれた。「サンドバックを叩いてみましょうか。右ストレートで」1年間の筋トレで腕力には相当の自信がある。 しかもパンチは「あしたのジョー」で予習済みだ。Nよ、見ておけ!…

【火花(拳闘編Part2)】

→「拳闘編Part1」より続き 「ああ、いらっしゃい。Nさんから話は聞いていますよ。トレーナーのKです」はて?やさしそうなお兄さんだ。他の練習生も和やかな雰囲気の中で練習している。ダッシュ・アンド・ペンペンヒップの必要はなさそうだ。「バンテージを巻…

【火花(拳闘編Part1)】

→「挑戦編」より続き土曜日。私は馬車道のGOLD GYMの前に居た。エレベータの前に立ち、ボタンを押すのを躊躇していた。誰でも最初は緊張するものだ。ましてや、これから足を踏み入れようとしている場所は、目付きの鋭いファイターたちがたむろする場所なのだ…

【火花(挑戦編)】

→「向上編」より続き炎は治まったが、まだ熾きの状態でくすぶり続けている。腹回りがまだまだだな。シャープさがイマイチだな。何とかしなければ・・・おおっ!そうだ!会社の同僚にプロボクサーのNが居るぢゃないか!ボクシングはダイエット効果がマックス…

【火花(向上編)】

→「立志編」より続き加齢による不可避な自然の摂理を否定し、死亡フラグを立てた医師に対して、小さな火花が生じた。火花は揺らぐ火になり、やがて、炎となった。炎は私の全身を包んだ。私は火だるま・・・ぢゃなくて、炎の化身と化した。ジムだ。ジムに行く…

【火花(立志編)】

「このままじゃ、心筋梗塞まっしぐらですよ!」 数年前の健康診断で医師に死を予告された。確かに、当時の私は太っていた。 「節操なく食ってるわけでもないのに太るのだから、加齢による不可避な、且つ自然な摂理であろう。死亡フラグを立てるとは何事だ」…