【火花(拳闘編Part2)】

  →「拳闘編Part1」より続き


「ああ、いらっしゃい。Nさんから話は聞いていますよ。トレーナーのKです」
はて?やさしそうなお兄さんだ。他の練習生も和やかな雰囲気の中で練習している。
ダッシュ・アンド・ペンペンヒップの必要はなさそうだ。
「バンテージを巻きましょう。左手をよろしいですか・」
バンテージとはボクサーが拳に巻いている、例の包帯のようなものだ。

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Nはリングでシャドウボクシングをしていた。
「あれっ?来ちゃったんですか?
Nはリングロープに両肘を乗せて不敵な笑みを浮かべ、私を見下ろした。
上気した体から湯気が立ち上っている。
何だろう・・・この思わせぶりな言い方は・・・?

 怖っ!
ダッシュ・アンド・ペンペンヒップ戦法は味方であるはずのNに適用することになるのか?
しかし後日、オフィスで必然的に顔を合わせるから、その戦法は完全にブロックされた。
さすがはプロボクサー。

N、恐るべし!
覚悟を決めねばならない。
やるしかない。
   →→「拳闘編Part3」へ続く