【火花(完結編)】


  →「拳闘編Part3」より続き
「意外と体力ありますね。びっくりです。もっと早くギブアップすると思いました」
初トレーニングの後、ジムのジャグジーに共に入りながらNが言った。
1年間、真面目にトレーニングに励んだ事で、体力には我ながら自信があった。
しかし、慣れない動きをしたので、さすがにバテた。
無性に腹が減った。
「飯食いに行こうぜ」
「おごりっすよ」
良い気分だった。

 

人は「死ぬ」という知性を持ったから、より長く生きられるようになった。
人は「死ぬ」までの時間が無限でないことを知っているから、今を大事に生きようとする。

 

かつて、私は自分の事を「意思が弱く虚弱な半病人」だと思い込んでいた。だから何事も長続きしなかった。

「やらない正当な理由」を模索し、何かをあきらめていた。
しかし、火花が私を変えた。
友人達が私の背中を押してくれた。
小さな火花が大きな炎に進化した瞬間だった。

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CHANGE YOUR BODY.
     CHANGE YOUR LIFE.
これは私が汗を流しているGOLD GYMに掲示されているメッセージだ。
「人生において、あなたが後悔していることは?」の問いに、70%の老人が次のように答えた。
「チャレンジしなかったこと」
だから私はGOLD GYMのメッセージに次の一文を付け加えたい。
Don't be afraid of taking on new challenges.
挑戦を恐れるな。

最後に、発火するするきっかけを与えてくれた火花先生と、芸術的な筋肉美で筋トレのモチベーションを維持させてくれたSトレーナー、時に厳しく時に厳しくボクシングのコーチをしてくれたNとSトレーナーに感謝したい。
それから、忘れてはならない。
惜しみない嘲笑をくれた女房にも、ほんの少し感謝している。

 

火花を起こせ

   

       了